コードを1行も書けない私がAIだけで地図アプリをリリースした話〜期間・費用・全手順公開〜【非エンジニアのClaude個人開発記 #2】
地図で探す
近くのおかわり無料店をマップで確認
前回の記事ではOKAWAR!の概要と使い方についてご説明しました。
今回は「で、どうやって作ったの?」という部分についてお話しします。
改めてになりますが、私はプログラミングの経験がほぼゼロです。 学生の頃にPythonの入門書を買って、3ページで挫折した実績があります。(本棚に今でも飾ってあります)
そんな私が約3週間・費用は月数千円でリリースまで漕ぎつけました。 正直、自分でも驚いています。
目次
- アイデアの着想・原点
- 開発着手からリリースまでの全記録
- AIの得意分野・不得意分野の棲み分け
- 非エンジニアがAI開発を始めるために知っておくべきこと
1. アイデアの着想・原点
そもそもなぜアプリを作ろうと思ったか
出発点は2つあります。
ひとつは、もともと「ユニークなアイデアで誰かの生活を少し豊かにするものを作りたい」という漠然とした欲求を持っていたこと。
もうひとつは、もっと現実的な話で、月30万円の副業収入を作るという目標です。
本業と並走しながら収益を積み上げていくにあたって、「AIを使った副業」という切り口で色々調べていたのですが、世の中に溢れている情報は「AIでライティング」「AIで画像生成」「AIでコンサル」といったものばかりで、正直どれも競合が多く、差別化が難しそうでした。
そこで少し立ち止まって、AIでできる副業を構造的に整理してみることにしました。
AI副業をMECEに分解する
AIを活用した副業を大きく分けると、以下の3軸で整理できます。
軸①:アウトプットの形 → コンテンツ(記事・動画・画像)/ ツール・プロダクト / サービス提供(コンサル・代行)
軸②:収益モデル → 広告 / 販売(単品・サブスク) / 受託
軸③:参入障壁 → 誰でもできる(低) / スキル・経験が必要(中) / 技術的に難しい(高)
この3軸でマトリクスを描いたとき、「ツール・プロダクト × 販売 × 中程度の参入障壁」という象限が、最もイシュー度が高いと判断しました。
理由は明確です。コンテンツ系は参入障壁が低く飽和しやすい。受託は時間を売る構造から抜け出せない。一方、プロダクトは一度作れば資産になり、使われ続ける限り収益が発生します。
幅出しと絞り込み
「AIでプロダクトを作る」という方向性が決まったあとは、アイデアを幅広く出しました。
出てきた候補の一部です。
- 特定ジャンルのお店だけを集めた特化型マップ
- 特定の悩みに特化した情報まとめサイト
- 日常の不便を解決するシンプルなWebツール
- ニッチな趣味コミュニティ向けのデータベース
ここから絞り込む際に設定した条件は3つです。
条件①:自分が欲しいと思えるか 作り手が一番最初のユーザーでなければ、本当の意味でのニーズが見えない。
条件②:機能がシンプルか 初めてのアプリ開発で複雑なものを作ろうとすると確実に詰みます。「地図にピンを立てて、タップすると情報が出る」というシンプルな構造は、最初のステップとして理想的でした。
条件③:AIへの指示イメージが具体的につくか ここが意外と重要でした。Googleマップという世界最強のお手本が存在しているため、「あのピンの動きを再現して」「あの検索バーと同じ感じに」という形でAIへの指示を具体化しやすかった。お手本があるということは、AIも学習データを持っているということです。
こうして「おかわり無料の飲食店に特化した地図アプリ」というアイデアが残りました。 ニッチですが、自分が実際に困っていたという確実な需要がある。これが決め手でした。
2. 開発着手からリリースまでの全記録
かかった期間・費用
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 開発期間 | 約3週間(週末と平日夜のみ) |
| Claude | 月額約3,000円(Proプラン) |
| Gemini | 月額約2,000円(Advancedプラン) |
| サーバー・ホスティング | 無料 |
| データベース | 無料 |
| 地図API | 無料枠内 |
| ドメイン | 無料(1アカウントまで無料枠あり) |
| 合計(初月) | 約6,000円 |
AIのサブスクリプション代がほぼすべてです。 サーバー代・ドメイン代が無料というのが信じられないのですが、これが2026年のアプリ開発の現実です。
全ステップの記録
STEP 1:作りたいものを徹底的に言語化する(2〜3日)
ここに一番時間をかけました。
「地図アプリ」という言葉だけでAIに開発を頼んでも、想定と全く違うものができあがります。
- どんなユーザーが使うのか
- 地図上にどんな情報をどう表示するのか
- 検索・絞り込みはどんな条件で行うのか
- スマートフォンで使ったとき、どんな画面の流れになるのか
こういった「仕様」を日本語で細かく書き出しました。エンジニアが設計書を書く作業を、日本語でやるイメージです。
STEP 2:アプリの骨格を作る(3〜4日)
言語化した仕様をもとに、AIへの指示を組み立てました。
最初の指示は「地図アプリを作って」という一行ではなく、STEP1でまとめた仕様書をそのまま渡すイメージです。「このユーザーが、この操作をしたとき、こういう動きをするアプリを作って」という形で、できるだけ具体的に伝えました。
参考にしたのはGoogleマップの動きです。「ピンをタップしたときの挙動はGoogleマップのそれと同じイメージ」という一言で、AIはかなり正確に意図を汲んでくれます。お手本があるのは強い。
STEP 3:データを集める(1週間)
ここが一番しんどかったです。
アプリの骨格ができても、中に入れるデータがなければ何も始まりません。全国のおかわり無料飲食店を、チェーン店・個人店問わず集める必要がありました。
自分の知識と、AIを使ったリサーチを組み合わせて情報を集めましたが、「おかわり無料かどうか」という情報はどこにも一覧化されておらず、公式サイトや食べログ・SNSを横断しながら地道に確認していく作業になりました。
現在1,000店舗以上が登録されていますが、この作業の難しさは想像以上でした。 ニッチな情報は、AIでも簡単には集められない、ということを痛感した工程です。
STEP 4:デザイン調整・機能追加(1週間)
骨格とデータが揃ったら、実際に使いながらひたすら改善しました。
「検索バーの位置が使いにくい」 「ピンが密集していて見づらい」 「お気に入り機能が欲しい」 「ジャンルで絞り込めるようにしたい」
こういった修正・追加をAIに伝えながら、使いやすい形に近づけていきました。 ここで面白いのは、自分が「使いにくい」と感じた部分を言語化する力が試されること。
「なんか違う」では伝わりません。「右下のボタンが画面の端すぎて親指が届かないので、もう少し内側に移動して」というレベルで具体化できると、一発で思い通りの修正が返ってきます。
STEP 5:公開する(1日)
アプリが完成したら、インターネット上に公開する必要があります。
ここで「サーバー」という概念が出てきます。アプリというのは、誰かのコンピューターの上で動いているものです。自分のパソコンで作ったものをそのままにしておくと、自分しかアクセスできません。それを「外部のコンピューター(サーバー)に置く」ことで、世界中からアクセスできるようになります。
この「サーバーに置く」という作業と、「okawari-map.comというURLを取得して紐づける」という作業を1日でやりきりました。
今はこの作業を代行してくれるサービスが充実しているので、仕組みを理解していなくても手順通りに進めれば完了します。ここも実質AIに教えてもらいながらやりました。
3. AIの得意分野・不得意分野の棲み分け
3週間使ってみて感じた、AIの正直な評価です。
得意なこと
- 指示通りに動くものを作る:「この機能を追加して」「この部分を修正して」に対して、正確に動くコードを返してくれる
- エラーの特定と修正:何かうまくいかないとき、その状況を伝えるだけで原因を探して直してくれる
- デザインの調整:「もっとシンプルに」「この色をオレンジにして」といった指示への対応が速い
苦手なこと
- ニッチな情報収集:「おかわり無料のお店を全国から集めて」はできない。ネット上に存在しない情報は、AIにも取ってこれない
- ビジネス判断:「このアプリは流行るか」に対しては答えてくれるが、最終的な判断は自分でする必要がある
- 「なんか違う」の解決:違和感を言語化できないと、修正が迷走する。AI側の問題ではなく、自分の言語化力の問題
4. 非エンジニアがAI開発を始めるために知っておくべきこと
① 技術知識より「何を作るか」の解像度が大事 コードが書けなくても本当に作れます。ただし「何を作りたいか」が曖昧だと、AIも迷走します。仕様の言語化に時間をかけることが、最終的に一番の近道でした。
② 費用は月6,000円から始められる サーバー・ドメインが無料の時代です。かかるのはAIのサブスク代のみ。リスクは限りなく低い。
③ わからないまま前に進んでいい コードの意味がわからなくても、動いていれば問題ありません。「なぜ動くのか」は後から学べばいい。まず動くものを作ることが大事です。
④ お手本を決めてから始める 「こういう動きにしたい」という具体的なお手本があると、AIへの指示の解像度が格段に上がります。ゼロから考えるより、「あのサービスのこの部分と同じ感じ」という伝え方が最も効率的です。
次回(#3)は、「Claude Codeの実際の使い方」についてもっと具体的にお話しします。 どんな指示を出したか、エラーが出たときどう対処したか、実際の開発現場をお見せします。
引き続きよろしくお願いします!
2026/04/10
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